先進事例

コージェネ大賞2019 優秀賞

CGS による再開発建物及び周辺と一体となったBCDシステムの構築
~さっぽろ創世スクエアにおけるブラックアウト時の対応~

北海道札幌市|
株式会社北海道熱供給公社
株式会社日建設計総合研究所

概 要

1998 年に札幌市が策定した「札幌市環境基本計画」では、エネルギーの利用効率の優れたまちづくりを推進するために、省エネルギーの推進やエネルギーの段階利用、自然エネルギー・未利用エネルギーの利用を促進していく方針が掲げられた。
その中で札幌創世1.1.1区北1西1地区第一種市街地再開発事業として計画された再開発建物(さっぽろ創世スクエア)は、建物の開発方針として「世界から信頼されるまちを目指し、環境配慮や低炭素化に取組む」「大規模な災害時にも機能継続できる施設へ」を掲げ、本事業である創世EC は、それを具現化するため導入された。
今後も札幌市の進める環境エネルギーに関する取組の指針である「都心エネルギーマスタープラン」(2018 年3 月策定)の実現に向け、本事業を含めた熱供給を通じて札幌都心部全体の「低炭素化」、高い防災性を備えた「強靭化」に取組んでいく。

清水建設北陸支店新社屋
原動機の種類 ガスエンジン
定格発電出力・台数 700kW×2 台
排熱利用用途 冷房、暖房、給湯、ロードヒーティング 
燃料 都市ガス13A
逆潮流の有無 無し
運用開始 2018 年4月
延床面積 131,891m²
電力ピークカット率 25.70%
一次エネルギー削減率※ 19.90%

コージェネが供給できる電力・熱を商用系統から給電・熱源機から熱供給 した場合と比較した時のエネルギー削減率

導入経緯

1998 年に札幌市が策定した「札幌市環境基本計画」では、エネルギーの利用効率の優れたまちづくりを推進するために、省エネルギーの推進やエネルギーの段階利用、自然エネルギー・未利用エネルギーの利用を促進していく方針が掲げられた。
その中で札幌創世1.1.1区北1西1地区第一種市街地再開発事業として計画された再開発建物(さっぽろ創世スクエア)は、建物の開発方針として「世界から信頼されるまちを目指し、環境配慮や低炭素化に取組む」「大規模な災害時にも機能継続できる施設へ」を掲げ、本事業である創世EC は、それを具現化するため導入された。
今後も札幌市の進める環境エネルギーに関する取組の指針である「都心エネルギーマスタープラン」(2018 年3 月策定)の実現に向け、本事業を含めた熱供給を通じて札幌都心部全体の「低炭素化」、高い防災性を備えた「強靭化」に取組んでいく。

特 長

寒冷地の特性を活かした熱エネルギーの有効活用

  • 寒冷地の特性を活かした熱エネルギーの有効活用
  • コージェネ排熱(排ガス蒸気、ジャケット温水)は蒸気、温水として供給すると共に単効用温水吸収冷凍機により冷水として供給し、年間を通じて最大限活用。
  • 通常利用されないコージェネ排熱の低温のインタークーラー温水は、ボイラ補給水の加温、冬期の融雪用熱源として利用することで排熱の多段階利用システムを構築。
  • 冷水蓄熱槽を設置し、冬期の外気を利用し冷水を製造するFCシステムを導入。
  • 中間期もFC を有効活用してターボ冷凍機の冷水入口温度を下げる「FC予冷システム」を導入。ターボ冷凍機の動力を抑えることで省

エネルギー、省CO₂を実現。

  • 災害時、空調に必要な冷熱・温熱と電気供給はエネルギーセンターのガスエンジンコージェネ(700kW×2 台、中圧供給、BOS 仕様)にて対応。
  • 空調以外の電気供給を本体建物の非常用発電機(2,000kVA×2 台)と放送局の非常用発電機(750kVA×2 台)にて対応。役割分担を明確に定めたシステムを構築。
  • コージェネが発電した電気をさっぽろ創世スクエアへ送り、帰宅困難者スペースや業務継続エリアの空調負荷に供給。エネルギーセンターの熱源設備の動力としても使用し、災害時も冷暖房機能を維持するシステムを構築。
  • 札幌市の災害対策本部が設置される「札幌市庁舎」へも熱を供給するなど、地域と一体となったBCD システムを構築。
システムフロー図
フリークーリングシステム(予冷モード)
通常時と非常時のエネルギー供給について
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