CHP市場の現状と今後の動向
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現状 | 今後の見通し |
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地域別 | アジア太平洋地域は世界最大の市場であり、最も急速に成長している。 ヨーロッパと北米はCHP市場は形成されているが、停滞している。 |
工業の拡大により、成長は主にアジア(インド、中国)からもたらされる。南米での成長も続くと予想される。 逆に、欧州と北米では、現在の石油・ガス価格と温室効果ガス排出規制の強化により、CHPの役割は減少し、おそらく低調にとどまるだろう。 |
技術別 | ガスタービンと蒸気タービンは、市場における2つの主要技術である。 |
燃料電池は、クリーンな副産物 (水と熱)を生み出す技術であるため、今後ますます導入されることが予想される。 マイクロCHP燃料電池はすでに市場に登場している。より大型のCHP燃料電池は、アメリカ、日本、韓国で設置され始めている。 |
Fuel | 現在、世界で最も使用されている燃料は石炭と天然ガスである。 バイオ燃料と廃棄物はまだわずかである。 |
石炭ベースの発電からよりクリーンな電源への移行は想定されているが、その割合は小さい。 ガスは、石炭や石油に比べて温室効果ガスの排出量が比較的少ないため、依然として重要な役割を果たすはずである。しかし、現在の地政学的状況、不安定で予測不可能な価格により、化石燃料ガスで稼働する新しいCHPの割合は、最終的には低下するだろう。温室効果ガス排出基準がさらに厳しくなれば、ガス焚きCHPは不利になり、ビジネス上の問題はさらに深刻になる。 再生可能エネルギー源の利用が増加することが予想されるが、これはわずかなものであり、CHP燃料としての石炭やガスに完全に取って代わることはできない。 |
容量別 | 大容量ユニットは、産業部門(製油所、化学プラントなど)で広く使用されているため、依然として市場を支配している。 |
住宅および商業用エンドユーザーからの小型ユニット(最大 10MW)に対する高い需要。 家庭用ボイラーに代わるマイクロCHPの導入。 |
エンド ユーザー |
製油所、化学、パルプ・製紙、食品・飲料などの産業が、現在コージェネレーションの主なエンドユーザーである。 商業施設や住宅施設(病院、大学、地域暖房)は、それほど多くない。 |
商業用および住宅用CHP設備の増加:CHPは、都市や地域レベルの公益事業にとって重要な技術である。電力会社によって作り出された電力と熱は、その場で利用されたり、地域の施設に供給されたり、送電網/地域暖房に送られたりする。 データセンターは、ガスタービンやガスエンジンの需要を牽引している。現在はほとんどCHPは導入されていないが、今後は変わっていくであろう。 |
出典:Cogen World Coalition “GLOBAL CHP MARKET OVERVIEW (17 December 2024)”
https://www.cogenworld.org/wp-content/uploads/2024/12/CWC_3rd_Global_Market_Overview_Dec-2024.pdf