EU および 欧州諸国におけるCHP関連政策と補助制度
EU(2024年3月時点)
EU法令・
補助金スキーム |
再生可能エネルギー指令改定 (REDIII) |
発行日 |
2023年11月 |
項目 |
CHPへの言及(義務や目標値は記載なし) |
内容 |
- エネルギー効率第一の原則の再確認
- 地域冷暖房において、エネルギー効率の重要性(および再生可能エネルギー導入拡大)
- DHCプロジェクトは電力網のバランシングに貢献することができ、地熱、太陽光、バイオCHP等により再生可能エネルギーの目標達成に貢献できる
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EU法令・
補助金スキーム |
エネルギー効率指令(EED) |
発行日 |
2023年10月 |
項目 |
エネルギー効率 |
内容 |
- 最終エネルギー消費の削減: EU の最終エネルギー消費を2030年までに現段階での2030年消費予測と比較し 11.7%削減
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項目 |
高効率CHP定義 |
内容 |
- 高効率CHP:電力のみ・熱のみの場合と比較し、一次エネルギー消費量を10%以上削減。
- 小規模およびマイクロCHPによる生産は、高効率と見なされる場合あり。
- 新規および大幅に改修された高効率CHPは、総エネルギー出力270gCO2/kWh未満でなければならない(2025年10月11日以降稼働の新規設備に対し、既存の化石燃料CHPについては、閾値を満たすよう段階的に削減する計画がある場合に限り、2034年1月1日まで緩和)。
- 天然ガスを除き、化石燃料を使用するCHPの新設は行わない。
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項目 |
効率的地域冷暖房(DHC)目標 |
内容 |
- 効率的DHCは、2035年時点で再生可能エネルギーと廃熱の利用シェアを35%以上とする。併せて、効率的DHCの地位を維持するためには、高効率CHPが鍵となる。
- 高効率CHPは、2045年時点で、RES(Renewable Energy Source)と廃熱の義務的シェア75%以上と組み合わせて使用可能。
- 2050年以降は、再生可能エネルギー、または廃熱のみ
- 2027年12月までは、効率的DHCに対する高効率CHPの寄与は最大75%。
- 2028年以降2045年までの熱ミックスにおける高効率CHPのシェアは80%以上(2035年時点の再生可能エネルギー/廃熱の最低シェアとの組み合わせ)。
- 2030年まで、新設/改修DHCにおいて、天然ガスを除く化石燃料を使用する新たな熱源を使用しない。
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特記 |
加盟国は、デフォルト定義による地域冷暖房の設備容量における最低割合の遵守、もしくは、代替案定義に基づいた温暖化ガス削減の遵守のいずれかを選択して、欧州委員会へ報告する事 |
項目 |
地域冷暖房プランの提出義務 |
内容 |
- 高効率な地域冷暖房インフラ整備のために、人口45,000人以上の地方自治体は、地域冷暖房プランの作成義務。
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特記 |
地域冷暖房の包括的評価、データ収集、高効率CHPおよび効率的地域冷暖房の潜在可能性と、これらの技術を促進するための政策リストを2024年6月提出の国家エネルギー・気候計画 (NCEP)に含める事 |
項目 |
エネルギー効率第一原則 |
内容 |
- 加盟国は、計画、政策、主要投資決定(1億ユーロ以上、または輸送インフラプロジェクトの場合は1億7,500万ユーロ以上)において、需要家側アセットおよびシステム柔軟性を含むエネルギー効率ソリューションについて、評価を行わなければならない。
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特記 |
今後欧州委員会よりガイドライン設定・提供予定 |
項目 |
高効率CHPによる電気の「原産地証明」 |
内容 |
- 高効率CHPで生成された電力と、効率が低いまたは再生可能エネルギー以外の電力を区別し、消費者や企業はより持続可能で効率的な電源から電力を選択できるようにするもの。
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項目 |
EED指令恵まれない地域への支援メカニズム |
内容 |
- 財源には欧州地域開発基金 (ERDF) と結束基金(COHESION FUND)からの資金が含まれ、加盟国は国家資源を追加割り当てでき、また民間投資の活用も考慮。
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特記 |
予算を含めた詳細は、今後設定予定の欧州二次法にて決定 |
EU法令・
補助金スキーム |
建築物におけるエネルギー性能指令(EPBD) |
発行日 |
2023年12月に暫定合意、2024年前半に発効予定 |
項目 |
建物の気候中立目標合致 |
内容 |
- 新築および既存の建物に対する最低エネルギー性能基準の設定、エネルギー性能証明書、暖房および空調システムの設備改善、定期検査などが含まれる。文面には、CHPによって生成された電力の使用の推進に言及。
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EU法令・
補助金スキーム |
EU 近代化ファンド |
発行日 |
既存 |
項目 |
対象国の脱炭素化財政支援 |
内容 |
- 化石燃料脱却が急がれるブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ギリシャ、ポルトガル、スロベニアの13か国の気候中立性への移行を支援する金融ツールで、CHPプロジェクトも対象となる。
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特記 |
現在4件補助金受領 |
EU法令・
補助金スキーム |
EPBD支援スキーム、およびリノベーションウェーブ |
発行日 |
既存 |
項目 |
建物の脱炭素化財政支援 |
内容 |
- 既存の建物をよりエネルギー効率の高いものに改修し、それによって全体的なエネルギー消費と温室効果ガス排出量の削減を目指す。
復興強靱化ファシリティ や欧州地域地域開発基金(ERDF)など各種EU助成金が財源で、定期的にプロジェクト入札が行われる。初期投資に対して15%⁻50%程度が一般的。
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